
デジタル遺品の整理方法 スマホ・SNS・ネット銀行の対応
2026年07月11日 18:04
デジタル遺品の整理方法
スマホ・SNS・ネット銀行の対応
デジタル遺品とは、故人がスマートフォンやパソコン、インターネット上に残したデータや契約情報のことです。写真やメールだけでなく、SNS、ネット銀行、ネット証券、サブスクリプションサービスなども含まれます。
近年は、本人しか利用状況やログイン方法を知らないケースも多く、遺族が解約や相続手続きで困ることがあります。遺品整理を進める際は、部屋の中の品物だけでなく、デジタル上の情報も早めに確認することが大切です。
デジタル遺品とは?
デジタル遺品とは、故人が所有・利用していたデジタル機器や、オンライン上のデータ・契約・資産を指します。
たとえば、スマートフォンやパソコン本体だけでなく、クラウド上の写真、メール、SNSアカウント、ネットバンク、電子マネー、動画配信サービスなども対象になります。
主なデジタル遺品
スマートフォン、タブレット、パソコン
写真・動画・音楽データ
メールアカウント
SNSアカウント
ネット銀行・ネット証券の口座
暗号資産に関する情報
クレジットカードのオンライン明細
電子マネー・ポイントサービス
通信契約・携帯電話契約
動画・音楽・電子書籍などの定額制サービス
ネット通販サイトのアカウント
ブログ、ホームページ、オンラインストレージ
有料アプリ・ゲーム・会員制サービス
デジタル遺品は目に見えにくいため、放置すると利用料金が引き落とされ続けたり、相続財産の把握が難しくなったりする可能性があります。
なぜ整理が必要なのか
故人が利用していたサービスを把握できないままにすると、不要な月額料金が発生し続けることがあります。
また、ネット銀行やネット証券、暗号資産、電子マネーなどには財産的な価値がある場合があります。相続人が複数いる場合は、自己判断で換金や解約を進めず、相続人間で情報を共有しながら対応することが大切です。
SNSやメールアカウントをそのままにしておくと、なりすましや不正利用のリスクも考えられます。必要に応じてアカウントの停止、追悼設定、削除などを検討しましょう。
最初に確認すること
デジタル遺品を整理するときは、いきなり端末の初期化やアカウント削除を行わないことが重要です。
スマートフォンやパソコンには、金融機関の利用履歴、家族の連絡先、写真、重要な書類、契約情報などが保存されている可能性があります。まずは端末を保管し、利用していたサービスを確認しましょう。
最初に確認したい項目
スマートフォン・パソコン・タブレットの有無
端末のロック解除方法が分かるか
メールアドレスの利用状況
金融機関や証券会社からのメール・通知
クレジットカードや携帯電話会社からの請求
サブスクリプションサービスの引き落とし
SNSの利用有無
ネット通販サイトの購入履歴
クラウドストレージや写真保存サービスの利用有無
パスワードメモやエンディングノートの有無
まずは「何を使っていたのか」を一覧にすることから始めましょう。
スマホ・パソコンの対応
スマートフォンやパソコンは、デジタル遺品の入口になります。故人の情報が多く残されているため、処分を急がないことが大切です。
端末を見つけたときの注意点
すぐに初期化・売却・処分しない
充電器やSIMカード、外付け保存機器も一緒に保管する
ロック解除を何度も試して、端末を利用停止状態にしない
不明なアプリやメールを安易に削除しない
家族写真や連絡先など、必要なデータがないか確認する
金融機関・証券会社・保険会社などの通知を確認する
端末のロック解除が難しい場合は、携帯電話会社や端末メーカーに相談できることがあります。ただし、本人以外では対応に制限がある場合もあるため、契約者の死亡を示す書類や相続関係を示す書類が必要になることがあります。
携帯電話契約の確認
スマートフォン本体だけでなく、携帯電話の契約自体も確認が必要です。
契約をそのままにすると、基本料金や端末代金、オプション料金などが発生する場合があります。契約先の携帯電話会社へ連絡し、死亡後の解約手続きや必要書類を確認しましょう。
確認しておきたいこと
契約している携帯電話会社
契約者名義
電話番号
月額料金の引き落とし先
端末の分割払いが残っているか
家族割やセット契約の有無
解約に必要な書類
メールアドレスの利用停止時期
SIMカードの返却が必要か
携帯電話を解約する前に、登録しているメールアドレスやSMS認証が必要なサービスがないかを確認しておくと安心です。
SNSアカウントの整理
SNSには、故人の写真や投稿、友人とのやり取りなどが残されています。残したいという家族もいれば、削除を希望する場合もあります。
故人の意思が分かる場合は、その希望を優先しましょう。エンディングノートなどに「アカウントを残してほしい」「削除してほしい」といった記載があれば、対応の参考になります。
SNSで検討したい対応
アカウントを残す
追悼アカウント・追悼設定へ変更する
アカウントを削除する
家族・友人へ訃報を伝える
不正ログインを防ぐために報告する
投稿した写真やデータを保存する
SNSサービスごとに、死亡した利用者のアカウントに関する手続きや必要書類は異なります。利用していたサービスの公式窓口で、追悼設定や削除の方法を確認しましょう。
ネット銀行・ネット証券の対応
ネット銀行やネット証券は、通帳や紙の書類が少ないため、遺族が口座の存在に気付きにくいことがあります。
メール通知、スマートフォンのアプリ、クレジットカードの引き落とし履歴、確定申告書類などを確認し、利用していた金融機関がないかを調べましょう。
口座が見つかった場合の流れ
金融機関へ死亡の連絡をする
相続手続きに必要な書類を確認する
口座残高や取引内容を確認する
相続人同士で財産の扱いを話し合う
必要書類を提出して相続手続きを進める
口座が見つかった場合、相続人の一人だけで預金を引き出したり、投資商品を売却したりすることは避けましょう。相続人が複数いる場合は、トラブルを防ぐためにも、情報と手続きの状況を共有することが大切です。
暗号資産・電子マネーにも注意
ビットコインなどの暗号資産や、電子マネー、ポイントには財産的な価値がある場合があります。
暗号資産は、取引所のアカウント情報やウォレットの復元情報が分からないと、相続手続きが難しくなるケースがあります。パソコンやスマートフォン内のアプリ、メール、メモ、確定申告の書類などを確認しましょう。
見落としやすいもの
暗号資産交換業者のアカウント
ウォレットアプリ
電子マネー残高
QRコード決済サービス
航空会社のマイル
通販サイトのポイント
クレジットカードのポイント
ゲーム内通貨や有料アイテム
フリマアプリの売上金
ネット通販サイトの残高
価値の有無や手続き方法が分からない場合は、サービス提供元や相続に詳しい専門家へ相談しましょう。
定額制サービスを見直す
動画配信、音楽配信、電子書籍、オンラインストレージ、新聞、アプリ、スポーツジムなど、定額制のサービスは気付かないうちに契約が続いていることがあります。
クレジットカードの明細や銀行口座の引き落とし履歴を確認し、不要な契約がないかを調べましょう。
確認したい定額制サービス
動画・音楽配信サービス
電子書籍・電子新聞
クラウドストレージ
有料アプリ・ゲーム
ソフトウェア利用料
オンライン学習サービス
通販サイトの会員サービス
サブスクリプション型のカーサービス
スポーツジム・オンラインフィットネス
有料メールサービス
解約前には、家族が残したい写真・動画・書類などがクラウド上に保存されていないかを確認しましょう。
写真・データの残し方
スマートフォンやパソコンの中には、家族にとって大切な写真や動画が保存されていることがあります。
端末内だけでなく、クラウドストレージ、SNS、メッセージアプリ、外付けハードディスク、USBメモリなどにデータが保存されている場合もあります。
写真・データを整理する方法
残したい写真や動画を家族で選ぶ
外付けハードディスクやUSBメモリに保存する
家族で共有できる保存場所を作る
アルバムとして印刷する
重複した写真や不要な画像を整理する
削除する前にバックアップを取る
データの保管場所と管理する人を決める
大切なデータを失わないためにも、削除や初期化の前には、必ずバックアップを取るようにしましょう。
生前にできるデジタル整理
デジタル遺品で家族が困らないためには、元気なうちに利用サービスを整理しておくことが大切です。
すべてのIDやパスワードを家族へ伝える必要はありませんが、「どのようなサービスを利用しているか」「もしものときはどうしてほしいか」を残しておくと安心です。
エンディングノートに書いておくとよいこと
利用しているスマートフォン・パソコンの種類
携帯電話会社と契約内容
主なメールアドレス
ネット銀行・ネット証券の利用有無
SNSやブログの利用有無
定額制サービスの一覧
クラウド上の写真・データの保存場所
残してほしいデータ・削除してほしいデータ
パスワードを保管している場所
緊急時に連絡してほしい人
パスワードや暗証番号は、ノートにそのまま書くと紛失・盗難時のリスクがあります。保管方法を工夫し、必要なときに家族が確認できる形を考えておきましょう。
デジタル遺品整理で注意したいこと
デジタル遺品の整理では、故人のプライバシーや相続人間の関係にも配慮が必要です。
特に金融資産、仕事関係のデータ、第三者とのやり取りが含まれるデータは、安易に公開・削除・売却しないよう注意しましょう。
注意点
端末を初期化する前に、必要な情報を確認する
相続に関わる金融資産は、相続人間で共有する
故人のアカウントを不正に利用しない
必要なデータはバックアップを取ってから整理する
パスワードや個人情報の取り扱いに注意する
不明な請求やサービスは、提供元へ確認する
解約・削除の手続き内容を記録しておく
困った場合は、携帯電話会社、金融機関、専門家へ相談する
まとめ
デジタル遺品には、スマートフォンやパソコンの中の写真・連絡先だけでなく、SNS、ネット銀行、ネット証券、暗号資産、定額制サービスなどが含まれます。
遺品整理を進める際は、端末をすぐに処分せず、まず利用していたサービスや契約を確認しましょう。特に、金融資産や継続課金があるサービスは、見落とさないよう注意が必要です。
ご本人が元気なうちに、利用中のサービスや重要なデータの保管場所、家族に伝えたい希望をエンディングノートなどへまとめておくと、将来の負担を減らすことにつながります。
【この記事の監修者】
監修:カエルリユース 野瀬 諭司
遺品整理士認定協会認定 遺品整理士
遺品整理士認定協会認定の遺品整理士として、岡山県で遺品整理・生前整理・実家じまいのお手伝いをしています。 遺品整理は、品物を片付けるだけではなく、ご家族の思い出やお気持ちにも向き合う大切な時間です。
「何から始めればよいか分からない」「自分たちだけでは難しい」と感じたときは、お気軽にご相談ください。
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