
売却・賃貸・解体どちらが得? 選択肢ごとのメリット・デメリット比較
2026年07月11日 21:10
空き家は売却・賃貸・解体どちらが得?
選択肢ごとのメリット・デメリット比較
空き家をどうするか迷ったとき、「売却・賃貸・解体のどれが得なのか」は、建物の状態や立地、今後住む予定の有無によって変わります。維持費を早く止めたいなら売却、収入を得る可能性を残したいなら賃貸、建物の老朽化が進んでいるなら解体を検討するのが基本です。
ただし、どの方法にもメリットと注意点があります。実家の荷物や相続登記、固定資産税、修繕費なども含めて、総合的に判断しましょう。
まず確認したいこと
売却・賃貸・解体の判断をする前に、実家の現状を整理することが大切です。
家の中に荷物が残ったままでは、建物の状態確認や不動産会社との相談が進めにくくなる場合があります。また、故人名義の不動産であれば、相続登記や相続人同士の話し合いも必要です。
確認しておきたいポイント
実家の土地・建物の名義は誰になっているか
相続登記が済んでいるか
相続人全員で方向性を共有できているか
建物に雨漏り、傾き、シロアリ被害などがないか
家の中に遺品や残置物がどのくらい残っているか
今後、家族が住む可能性があるか
固定資産税、火災保険、管理費などの維持費はいくらか
周辺の売却価格や賃貸需要はどうか
解体した場合の費用と土地活用の可能性はあるか
「とりあえず空き家のままにする」という選択は、建物の劣化や防犯面、近隣トラブルにつながるおそれがあります。まずは現状を把握し、期限を決めて方針を検討しましょう。
売却が向いているケース
売却は、今後実家に住む予定がなく、空き家の維持管理から解放されたい方に向いています。
売却できれば、固定資産税、火災保険、修繕費、草刈りや空き家管理の負担を減らせます。相続人が複数いる場合も、売却後の現金を分けることで、財産を分けやすくなる場合があります。
売却するメリット
固定資産税や維持管理の負担を減らせる
空き家の劣化、防犯、近隣トラブルの心配を減らせる
売却代金を相続人で分けやすい
遠方に住んでいても管理の負担をなくしやすい
実家じまいを一区切りつけやすい
売却資金を今後の生活費や介護費用などに活用できる
売却するデメリット
希望する価格や時期で売れるとは限らない
不動産会社への仲介手数料などの費用がかかる
家の中の遺品・残置物を整理する必要がある
相続登記や境界確認などの手続きが必要になる場合がある
思い出のある実家を手放すことへの心理的な負担がある
建物の状態によっては、値下げや解体を求められることがある
建物が古くても、立地や土地の広さに価値がある場合は、古家付き土地として売却できることがあります。まずは不動産会社へ査定を依頼し、現状のまま売る方法と、解体して更地で売る方法の両方を比較するとよいでしょう。
賃貸が向いているケース
賃貸は、実家をすぐに手放したくない方や、将来的に家族が使う可能性を残したい方に向いています。
立地がよく、建物の状態が比較的良好であれば、家賃収入を得ながら不動産を保有できる可能性があります。
賃貸にするメリット
毎月の家賃収入を得られる可能性がある
家を手放さずに活用できる
入居者が住むことで、建物の傷みや防犯面の不安を抑えやすい
将来、家族が住む選択肢を残せる
物件によっては、売却より長期的な収益を見込める場合がある
賃貸にするデメリット
リフォームや修繕に初期費用がかかることがある
空室になると家賃収入が得られない
設備の故障、雨漏り、給湯器の交換などの費用は原則として所有者側の負担になる
入居者募集、契約、家賃管理、退去対応などが必要になる
家賃滞納や近隣トラブルのリスクがある
立地によっては入居者が見つかりにくい
実家の荷物を整理し、居住できる状態に整える必要がある
賃貸を選ぶ場合は、想定家賃だけで判断しないことが重要です。リフォーム費、管理会社への手数料、固定資産税、火災保険、設備交換費、空室期間などを考慮し、「実際にどれくらい手元に残るか」を確認しましょう。
解体が向いているケース
解体は、建物の老朽化が進み、売却や賃貸が難しい場合に検討される選択肢です。
倒壊、屋根材や外壁の落下、害虫・害獣の発生、近隣への影響が心配な場合には、解体によって安全性を確保できることがあります。
解体するメリット
老朽化した建物による倒壊や落下のリスクを減らせる
特定空家等や管理不全空家等に関する問題を防ぎやすい
更地にすることで、土地の売却や活用を検討しやすくなる
建物の維持管理や修繕の負担を減らせる
庭や敷地を駐車場、資材置場などに活用できる可能性がある
近隣への安全面・景観面の不安を減らしやすい
解体するデメリット
解体工事にまとまった費用がかかる
家の中の遺品や不用品を事前に整理する必要がある
建物を取り壊すと、住宅用地の特例が受けられなくなり、土地の固定資産税が上がる可能性がある
更地にしても、必ずしも高く売れるとは限らない
解体後に土地をどう使うか決めていないと、維持費だけが続く場合がある
解体工事では、騒音、振動、ほこり、工事車両などへの近隣配慮が必要になる
解体を検討する際は、解体費用だけを見るのではなく、解体後の固定資産税や土地の使い道まで考えることが大切です。更地にして売却するのか、駐車場として活用するのか、将来建て替えるのかを整理してから判断しましょう。
どの選択肢が得かを判断する基準
「得かどうか」は、売却価格や家賃収入だけでは決まりません。
空き家を持ち続けることでかかる税金、保険料、修繕費、草刈り、交通費、管理の手間なども含めて考える必要があります。
売却を優先しやすいケース
家族が住む予定がない
遠方に住んでいて管理が難しい
空き家の維持費を早く止めたい
相続人で現金として分けたい
建物の傷みが進む前に手放したい
空き家の防犯や近隣対応に不安がある
賃貸を検討しやすいケース
駅や学校、商業施設に近く、賃貸需要が見込める
建物の状態がよく、大規模な修繕が必要ない
将来、家族が住む可能性がある
管理会社へ委託しても収支が見込める
空き家を保有しながら収入を得たい
解体を検討しやすいケース
建物の老朽化が進み、修繕費が大きくなりそう
倒壊、雨漏り、害虫、屋根や外壁の落下が心配
売却・賃貸の前に建物を撤去したほうがよいと判断された
空き家として残すことで近隣に迷惑をかけるおそれがある
更地にした後の売却・活用方針がある
「売却前の解体」は慎重に判断する
古い家を売るときに、「解体して更地にしたほうが売れやすいのでは」と考える方も多いでしょう。
しかし、解体費用がかかるうえ、買主が自分の希望に合わせて建物を活用・解体したいと考える場合もあります。そのため、必ずしも解体してから売るほうが有利とは限りません。
また、建物を取り壊すと住宅用地の特例が受けられなくなり、土地の固定資産税が上がる可能性があります。売却まで時間がかかる場合は、税負担が増えることもあるため注意が必要です。
不動産会社へ相談する際は、「古家付きで売る場合」と「解体して更地で売る場合」の査定や売却見込みを、それぞれ確認すると判断しやすくなります。
実家の荷物は先に整理する
売却・賃貸・解体のいずれを選ぶ場合でも、実家に残された荷物の整理が必要になることが多いです。
特に、相続に関わる書類、通帳、印鑑、貴金属、権利書、保険証券、写真、アルバムなどは、処分前に必ず確認しましょう。
荷物整理の基本
遺言書、重要書類、貴重品を最初に確保する
相続人・家族で形見分けの希望を確認する
「残す」「譲る」「売る」「処分する」「保留する」に分ける
価値が分からない物は、すぐに捨てずに査定や確認を行う
大型家具・家電や大量の荷物は、無理をせず専門業者へ相談する
売却・賃貸・解体の予定日から逆算して作業計画を立てる
家の中を空にする必要がある場合でも、焦って処分を進めると後悔につながることがあります。家族との情報共有を行いながら、順番に進めましょう。
判断に迷ったときの進め方
実家の今後をすぐに決められない場合は、まず建物と土地の状況を把握することから始めましょう。
不動産会社へ売却査定や賃料査定を依頼し、必要な修繕費や解体費についても見積もりを取ると、選択肢を比較しやすくなります。
おすすめの進め方
相続人・家族で実家の今後について話し合う
相続登記や名義の状況を確認する
遺品・残置物・重要書類を整理する
建物の劣化状況を確認する
売却価格と賃料の目安を調べる
修繕費・解体費・維持費を確認する
売却・賃貸・解体後の活用方法を比較する
家族が納得できる方針を決める
実家じまいは、金額だけでなく、ご家族の思い出や将来の暮らしにも関わる問題です。焦らず、必要な情報を集めたうえで判断することが大切です。
まとめ
空き家を早く手放して維持費や管理負担を減らしたい場合は、売却が向いています。立地や建物の状態がよく、長期的に活用したい場合は賃貸を検討できます。建物の老朽化が進み、安全面に不安がある場合は、解体とその後の土地活用を考える必要があります。
どれが得かは、建物の状態、地域の需要、修繕費、解体費、固定資産税、家族の希望によって異なります。売却価格や家賃収入だけで判断せず、空き家を維持するための費用と手間も含めて比較しましょう。
実家の荷物整理、相続登記、不動産の査定、解体見積もりなどを順番に進めることで、ご家族に合った選択肢を見つけやすくなります。
【この記事の監修者】
監修:カエルリユース 野瀬 諭司
遺品整理士認定協会認定 遺品整理士
遺品整理士認定協会認定の遺品整理士として、岡山県で遺品整理・生前整理・実家じまいのお手伝いをしています。 遺品整理は、品物を片付けるだけではなく、ご家族の思い出やお気持ちにも向き合う大切な時間です。
「何から始めればよいか分からない」「自分たちだけでは難しい」と感じたときは、お気軽にご相談ください。
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